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評点Wの対策

 
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その他の審査項目

社会性等とは

その他の審査項目Wの概要

 その他の審査項目(W)は、労働福祉の状況(e)建設業の営業継続の状況(f)、防災協定締結の有無(g)、法令遵守の状況(h)、監査の受審状況(i)、公認会計士等の数(j)、研究開発の状況(k)、建設機械の保有状況(l)、国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(m)、若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況(n)の点数を次の計算式にあてはめて評価されます。
 

W=(e+f+g+h+i+j+k+l+m+n)×10×190÷200

 

労働福祉の状況(e)
 
 労働福祉の状況には、次の6つの項目があります。労働保険と社会保険に関しては、法律上の義務とされていますので、未加入の場合の減点が非常に大きいのが特徴です。(適用除外の場合は減点されません)
 

労働福祉の状況の点数
 項目 未加入 加入
雇用保険 -40点 0点
健康保険 -40点 0点
厚生年金保険 -40点 0点
建設業退職金共済制度 0点 +15点
退職一時金制度又は
企業年金制度
0点

+15点

法定外労働災害補償制度 0点

+15点

建設業の営業継続の状況(f)
 
営業年数と民事再生法や会社更生法の適用の有無の項目があります。
 
 営業年数は、建設業の許可を受けてからの年数を指します。途中何らかの理由で許可が途切れていた期間は年数には数えません。また、個人から法人に組織変更した場合でも、途切れることなく法人としての許可を受ければ、個人で許可を受けたときからの年数を営業年数として通算することができます。
 
f=「①建設業の営業年数点数」+「②民事再生法又は会社更生法の適用の有無の点数」
 

①建設業の営業年数点数

営業
年数
点数 営業
年数
点数 営業
年数
点数 営業
年数
点数 営業
年数
点数 営業
年数
点数 営業
年数
点数
35年
以上
60 30年 50 25年 40 20年 30 15年 20 10年 10 5年
以下
0
34年 58 29年 48 24年 38 19年 28 14年 18 9年 8
 
 
33年 56 28年 46 23年 36 18年 26 13年 16 8年 6
 
 
32年 54 27年 44 22年 34 17年 24 12年 14 7年 4  

 
31年 52 26年 42 21年 32 16年 22 11年 12 6年 2  

 

※)平成23年4月1日以降に民事再生手続又は更生手続開始の決定を受け、かつ、再生手続又は更生手続終結の決定を受けた建設業者は、終結決定を受けてからの営業年数。

 

②民事再生法又は会社更生法の適用の有無の点数

 
 項目 有り 無し
民事再生法又は
会社更生法適用
-60点   0点
 

防災協定の有無(g)
 
 審査基準日において、国・行政機関や、地方自治体との間で、災害時における活動についての協定を締結しているかどうかで評価されます。

  • 建設業が、国、独立行政法人など、または地方自治体と災害時の防災活動について定めた協定を締結していること
  • 建設業者が加入する団体が、国、独立行政法人など、または地方自治体と災害時の防災活動について定めた協定をていけつしていること
防災協定の締結は +20点 H30.4.1改正)

法令遵守の状況(h)
 
 審査期間内に国土交通省又は都道府県から営業停止や処分を受けたことがないかの項目です。当然、評価は減点のみで加点はありません。

営業停止は -30点 
指示処分は -15点

 
一点を見つめる男女の建設業者

監査の受審状況(i)
 
 経理の信頼性の向上に取り組む建設業に対して加点評価する項目です。

会計監査人設置会社は +20点
会計参与設置会社は +10点
社内の経理事務責任者(公認会計士等)による自主監査は +2点

公認会計士等の数(j)
 
 建設業に従事する職員(常勤)で次の資格を所有している者が加点対象になります。
 

公認会計士、会計士補、税理士及び1級登録経理試験合格者は +1点
2級登録経理試験合格者は +0.4点

研究開発の状況(k)
 
 公認会計士協会の指針などで定義された研究開発費の金額を評価し、計上される研究開発費の額(5000万円以上)を評価するものです。なお、加点対象の建設業者は、会計監査人設置会社に限定されています。

研究開発費の額に応じて +1点~+25点
 
最先端の技術で作られた機械部品

建設機械の保有状況(l)
 
 平成23年4月の改正で新たに追加された評価項目で、災害の復旧工事に利用されることの多い建設機械の保有状況が評価されます。
 評価対象となるのは、建設機械抵当権法第2条に規定されている建設機械のうち、ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベルです。加点されるためには所有確認と、特定自主検査を受けていることの確認が必要です。
 ※)営業用の大型ダンプ車のうち、主として建設業の用途に使用するものも評価の対象になりました。H30.4.1改正)

所有台数に応じて +5点~+15点H30.4.1改正)

国際標準化機構が定めた規格による登録の状況(m)
 
 平成23年4月の改正で新たに追加された評価項目で、ISO9001およびISO14001の認証を受けている建設業者が評価されます。
 ただし、ISOの認証を受けていればどのようなケースでも加点されるわけではありません。加点されるには、次の条件を満たしていなければなりません。
 

  • 認証範囲に建設業が含まれること
  • 認証取得した際の審査登録機関が(財)日本適合性認定強化(JAB)の認定を受けていること
  • 会社全体が認証は2であること

 

第9001号及び第14001号の両方の登録 +10点
第9001号のみ登録 +5点
第14001号のみ登録 +5点

 
 

若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況(n)
 
 35歳未満の技術職員が、審査基準日における技術職員名簿に占める割合によって加点されます。ただし、6カ月を超える期間、恒常的に雇用されていることが必要です。
 

区分 技術職員名簿に記載された35歳未満の技術職員数が技術職員名簿全体の15%以上の場合でかつ、新たに技術職員名簿に記載された35歳未満の技術職員数が技術職員名簿全体の1%以上の場合 技術職員名簿に記載された35歳未満の技術職員数が技術職員名簿全体の15%以上の場合 新たに技術職員名簿に記載された35歳未満の技術職員数が技術職員名簿全体の1%以上の場合
点数 2点 1点 1点

 

Wを上げるためには。

導入しやすい項目の検討

 Wは、審査項目が多いですが、点数を上げやすいのは、労働福祉の状況(e)の建設業退職金共済や、退職一時金制度・企業年金制度、法定外労働災害補償制度の項目です。
 比較的導入しやすいものが多いので、会社の状況に応じて検討してみる価値があります。また、導入にあたっては必ず制度の内容を理解したうえで行う必要があります。

 
滋賀県大津市の市街と琵琶湖を山頂から一望した風景
 

建設業退職金共済や、退職一時金制度・企業年金制度を制定又は加入する
 建設業退職金共済は、建設業の事業主が共済契約を行い、建設現場で働く労働者が建設業界で働くことを辞めたときに、労働日数に応じて退職金が支払われるという制度です。

建退共に加入している場合は +15点 
退職一時金制度や企業年金制度がある場合は +15点

 

法定外労働災害補償制度に加入する
 法定外労働災害補償制度とは、建設業労働災害の発生に際し、政府の労働災害補償制度とは別に上乗せ給付等を行うもので、保険会社との契約が一定基準を満たしている必要があります。

法定外労働災害補償制度に加入している場合は +15点

 

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