技術力Zとは
技術職員数と年間平均元請完成工事高
評点Zの概要
技術力(Z)は、業種別技術職員数(c)と、種類別年間平均元請完成工事高(d)の点数により評価されます。
Z=業種別技術職員数(c)×0.8+種類別年間平均元請完成工事高(c)×0.2
業種別技術職員数(c)
業種別技術職員数は、審査基準日以前6か月を超える雇用関係がある建設業の技術職員で、経営事項審査を受ける業種について、一定の資格や要件を満たしている者を指します。技術職員は次の5種類に分類され、それぞれ加点される点数が決まっています。
また、複数の資格を持っている技術者がいる場合でも、評価の対象となるのは、1人2業種までとされています。そのため、3業種以上の資格をもっている場合は、どの業種の技術職員として申請するかを検討する必要があります。
技術職員の加点の分類
略称 | 要件 | 確認書類 | 加点 |
一級監理受講者 | 建設業法第15条第2号イに該当する者 かつ監理技術者証を有する者 (講習を5年以内に受講した者) |
①監理技術者証 ②監理技術者講習 |
6点 |
一級技術者 | 建設業法第15条第2号イに該当する者 | 資格者証等 | 5点 |
基幹技能者 | 登録機関技術者講習を修了した者であって 一級技術者以外の者 |
基幹技術者終了証 | 3点 |
二級技術者 | 合格することによって直ちに同法第7条第2号ハに 該当することとなるものに合格した者 |
資格者証等 | 2点 |
その他の技術者 | 第7条第2号イ、ロ、ハ または15条第2号ハに該当する者で 一級技術者、機関技術者、二級技術者以外の者 |
資格者証等 |
1点 |
[業種別技術職員数(c)の算出方法]
「一級監理受講者」×6点
+「一級技術者 」×5点
+「基幹技能者 」×3点
+「二級技術者 」×2点
+「その他の技術者」×1点
種類別年間平均元請完成工事高(d)
経営事項審査を希望する業種の元請完成工事高を、2年平均又は3年平均して算出する数値です。なお、2年平均か3年平均の選択については、工事種類別年間平均完成工事高(X₁)で選択した方と同じになります。
評点Zを上げるためには
Zは、高い資格を持った技術職員を増やすこと、元請工事の完成工事高の増加が点数を上げるためのポイントになります。具体的には次のような方法が考えられます。
1.現在雇用している技術職員に資格を取得してもらう
資格手当の支給などの社内規定を整備したうえで、より高い資格を持った技術職員を増やす努力をします。たとえば、同じ業種で「2級→1級」や「実務経験→2級」のようなケースや、建築や土木の施工管理技士のような一気に多くの業種の技術者として登録できる資格を狙う方法などが考えられます。
2.監理技術者講習又は基幹技術者講習の受講
1と同様の考え方ですが、1級の技術職員に講習を受講してもらい、より高い資格を持った技術職員を増やします。
3.資格を持った者を新たに技術職員として雇用する
技術職員を雇用するうえでの基準は、決して資格の有無だけではありません。しかしながら、自社の状況を考慮したうえで、より高い資格を持った技術職員を雇用することも重要です。6か月を超える期間、恒常的に雇用していなければ技術職員名簿に記載できませんので、雇用する際には計画性が必要になります。
4.元請工事の受注を増やす努力をする
元請工事の完成工事高は、公共工事か民間工事の別は問われませんが、業種によっても、元請工事の取りやすさは異なってきます。難しい場合であっても、市町の公共工事を地道に請け負うことで実績を積んでいく努力は必要だと考えられます。