自己資本額と平均利益額
企業努力が反映される審査項目
X₂の概要
X₂とは、自己資本額と、平均利益額の点数を次の計算式に当てはめて評価される数値です。
X₂=(自己資本額の点数(a)+平均利益額の点数(b))÷2
自己資本額(a)
自己資本額は、貸借対照表上の負債純資産合計から負債合計を差し引いた純資産合計によって求めます。また申請においては、基準決算のみ、または申請対象年度と前年度の2年平均のいずれかを選択することが可能ですので、数値が良い方を選択することができます。
自己資本額の点数幅は、361点~2114点
平均利益額(b)
営業利益と減価償却実施費の合計を、審査対象年度と前年度の2年平均し、特定の計算式に当てはめて求めます。
平均利益額の点数幅は、547点~2447点
b=(営業利益額+前年営業利益額+減価償却実施額+前年減価償却実施額)÷2
X₂を上げるために
X₂は、自己資本額と平均利益額が大きいほど点数が高くなります。
対策としては、自己資本額、営業利益と減価償却費のそれぞれを大きくしていくことですが、いずれも会社の経営状況との関連性が強いため短期間で結果を出すのは難しい項目です。まずは、3~5年の中長期的な目標を定めたうえで進めていくことが望ましいと思います。
1.利益剰余金の拡大
毎年、利益を計上できるようにし、利益剰余金を拡大することで点数が上がっていきます。
経営事項審査における自己資本額は、純資産合計とされています。そして、純資産合計は、毎年の利益を社内留保した利益剰余金と、株主出資の資本金および資本剰余金を合計したものですから、いかに利益剰余金を残せるかがポイントになります。
2.減価償却費の拡大
平均利益額は、営業利益と減価償却費で決まります。営業利益については、企業努力によるところが大きいですが、減価償却費についてはある程度の操作が可能です。
減価償却費は、建設機械等の保有状況によって変わってきます。この保有とは、自社で保有しているものを指します。そのため建設機械等を導入する際には、レンタルより自社保有(リースを含む)を選択する方が有利になります。
しかしながら、減価償却費の拡大を優先しすぎる設備投資は、自社の首を絞める結果になることもあります。経営状況とのバランスをみながら、計画的な設備投資を心掛ける必要があります。
リースとレンタルの違い
リース | レンタル | |
貸出期間(契約期間) | 法定償却年数に準じた契約 2~5年の長期 |
日・月の短期 |
保守管理(メンテナンス) | 借りて負担 | 貸して負担 |
オペレーター | 無 | 無 |
機種選択 | ユーザー希望商品 | 賃貸者の保有より選択 |
在庫 | 在庫しない | 在庫する |
ユーザー | 企業(中心) | 企業、諸団体、個人 |
終了後の所有権 | リース会社 | 元々レンタル会社保有 |